浪江町請戸港ではたくさんカレイ類が水揚げされますが、その中でもこのカレイほど一年間に価格の変動が激しい魚はいません。
旬は夏場で、ヒラメをも圧倒される価格で取引されます。
カレイの王様と言われるホシガレイという魚もいますが、夏場に限ってはそのホシガレイと同等の扱いとなります。
子を持ち出す冬場になると価格が安くなり、煮付けや塩焼きでお正月に食べるのが一般的です。
先ほどカレイ類がたくさん水揚げされると言いましたがざっと挙げると、マコカレイ、ホシカレイ、イシカレイ、ナメタカレイ、ムシカレイ(水カレイ)、アカジカレイ、メイタカレイ、宗八カレイ、ホンダカレイ(サメカレイ)・・・とこんな感じです。実際にはまだいます。
その中でもやはり旬のマコカレイの刺身は別格に味が良いです。皆さんも色々なカレイを食べ比べしてみてくださいね。
夏の代表的な魚
スズキ
震災前から請戸のスズキは活魚の代名詞の一つでした。
請戸含め常磐もののスズキは全国的に最高の評価をされており価値が高い魚です。
旬は6月~8月。えらがピンとしていて皮が綺麗なほど鮮度の高い証拠です。
スズキは成長するにつれて呼び名が変わる出世魚です。
生まれたては「コッパ」、20~30cmを「セイゴ」、30~50cmを「フッコ」、3~4年経ち60cmを超えると「スズキ」と呼ばれます。
食べ方として刺身、塩焼きが主な食べ方で、肉厚で脂が多く美味しいです。スズキのアラを使ったアラ汁もとても美味です。
ホッキ貝
ホッキ貝は漢字で北寄貝と書きます。
漢字の通り、北にしか生息していない貝で最南端がこの福島県境となっています。
アサリやホタテのような貝とはまた違く、食べた時の甘みがすごく強いです。
管理人も8年ほど関東にいた時期がありましたが、その時はホッキの刺身にはなかなか出会うことはありませんでした。
水揚げされた新鮮なホッキの刺身はとても美味しく、焼いたり、ボイルすることでさらにその甘みが強くなります。
相双地区では馴染みのある貝ですので食べ方もいろいろあり、旨味の強い出汁を使ったホッキ釜飯やお吸い物、ホッキカレーはとても美味しいです。
マゴチ
頭も体も上下から押しつぶしたように幅広く、偏平な形の白身魚です。
呼び方は地方によって異なり、東京では「マゴチ」九州では「ゼニゴチ」四国では「ムギメ」と呼ばれます。
淡白で脂は多くないですが、甘みと旨みが美味しい魚です。旬のマゴチはやはり刺身がオススメです。
調理する際には、エラの付け根あたりに鋭利な棘があるので注意してください。
流通量はそこまで多くはなく、大型の個体であれば市場では高値で取り引きされています。
弊社直売所でマゴチの刺身は見かけた際は、チャンスですので是非ご賞味ください。
水タコ
水タコは大きいもので30kg。平均でも10kg前後の個体が多く、1m~3m程にまでなります。
マタコとの違いでは、水タコの方が身が柔らかくみずみずしいです。好みは分かれますが、市場ではマタコの方が格上となっています。
水タコの漁は主に夏場に行われます。かなり沖合まで行きタコを狙いますが、同時に漁獲されるのがツブ貝です。
ツブ貝にも種類が多く、一般的な真ツブ(シライトマキバイ)、黒ツブ(エゾボラモドキ)が水揚げされるのはこの時です。稀に白ツブ(チヂミエゾボラ)が混ざってきます。
この白ツブは刺身にすると歯ごたえと甘みが最高です。
昔からタコを食すのは日本ぐらいで海外では悪魔の生物(デビルフィッシュ)と呼ばれていましたが、近年では美味しさが伝わりそんな見方もなくなってきているそうです。
アナゴ
腹びれがなく腹部が白いのがアナゴの特徴で、白身魚に分類されウナギ、ハモと近縁になります。
アナゴと言えば寿司と天婦羅、江戸前の味を作り出す代表格です。
そのため関東の市場内の魚屋での仕入量が一番多く、大きさも「めそ」と呼ばれる30cm弱の小型か70cmを超える大アナゴまでS.M.L.LLなど規格化されて出荷されます。
江戸前となると大型のものより、小型のほうが好まれます。
ウナギとアナゴを比較すると、ウナギの方が格上ですが負けずと劣らず美味しいアナゴです。
最近ではアナゴの蒲焼として、調理されたものを温めるだけで食べれるものが多く流通しています。
見かけた際はアナゴを堪能してみてくださいね。